呪術とは、妬みや恨みといった人の強い情念を実際の結果に移すためのもので欲望と強くかかわっています。例えば人の死というものは必ず平等に訪れるものですが、それに反抗する考え方が存在します。大切な人を失うということは相当のストレスがかかるもので、否定したくなる気持ちがあることは自然です。一方で一度死んだ人を甦らせることができるという考え方にまで至ると、これは強すぎるし年と思い込みという域にまで達していると言えるでしょう。日本では死者の多くか火葬することで精神世界につながるものとされてきましたが、その思念が存在するという考え方が幽霊などということばを作っていきました。西洋では土葬することがほとんどで土にかえるという考え方ですが、これを生き返らせることで肉体が腐敗した体を持つ「ゾンビ」などの考え方が浸透していったのでしょう。生きている人を恨む場合は、その人の一部を藁人形に宿して五寸釘などで打ち付ける行為によって相手が不幸に陥ることも願う行為です。相手が不幸になることで自分が望ましい行為に至るという結果を求めてのことですが、この行為が仮に他社に知られてしまうと不幸になるのは行為者自身になってしまいます。「人を呪わば穴二つ」という言葉は、このような結果を招くリスクを伝える言葉としてとらえることが可能です。人を呪ったりねたんだりすれば良い結果になるかというとそうでは無く、他者とのかかわりを考えると感謝して行動するほうが建設的かもしれません。