カルマとは、サンスクリット語の仏教用語です。日本では「業(ごう)」と呼ばれています。仏教では、全ての行為は何らかの結果を招き次の行為へと影響していくと考えられており、この原因・行為・結果・影響といったサイクルの中心的な概念がカルマなのです。つまり、「神による創造」「偶然による事物の発生」「事物が突然生じること」などを否定しているため、その原因がカルマとなっています。具体的には善意と善行は良いカルマと幸福な転生をもたらし、悪意と悪行は悪いカルマと悪い再生をもたらすということになります。もっと簡単に言えば、「良いことをすれば良いことが起こり、悪いことをすれば悪いことが起こる」ということです。一方西洋では考え方が異なり、原因と結果に関する宇宙の法則とされています。悪や苦しみは幻影であり、今の人生の課題は前世のカルマに原因があるという思想です。日本ではこちらのイメージが強く、カルマという言葉はマイナスな印象が多くなっています。前世の思想は「現在の自分が不幸であるのは前世に原因があるので、先祖の霊を清めなければならない」と解釈され、霊感商法の手口に用いられていることも、マイナスイメージの一因であるといえます。