タロット―こころの図像学
ユング心理学をベースとしたタロット本 |
有名な鏡リュウジさんのタロット本。鏡さんは占星術に詳しい専門家と思っていたのですが、タロットもよく研究されているので、スゴイと思います。
欧米のタロットの研究成果を踏まえて書かれていて、信頼のおける本だと思います。
ユング心理学的なアプローチで、一枚一枚のカードが丁寧に解釈されていて、深層心理学のお話が好きな人にはとても面白く読めると思います。同じユング的なアプローチの本で翻訳の出ているサリー・ニコルズ著『ユングとタロット』より、鏡さんのこの本の方が個人的には読みやすく、納得感もありました。
ただわがままを言えば、図像学的な解釈を、もうちょっと突っ込んで欲しかったというのも正直なところです。
タロットの不要な神秘性を剥ぐ |
タロットは今まで不必要に神秘化されてきた。
その結果、いろいろな神秘的な説が出てきて混乱していたと思う。
その神秘性を剥ぎ、もっと現実的にタロットを見ており、
それでもタロットの価値を見失わないという希有な本だと思う。
ただ著者が参考にしている原典を見ていないので、どこまで
信じていいのか分からないところもあるが。なんとなく、
絶版本の中から一番著者が好きそうな説を引っ張ってきただけの
ような可能性もあるとは思ったが。
読みやすいタロット入門書 |
タロットカードの入門書として、読みやすく内容も充実していているのでおすすめです。しかし一般的に、このようなメタフィジクス(形而学)の本は日本で不足しているように思えます。アメリカなどでは、メタフィジクス専門の書店がどんな町にも大抵一軒ぐらいはありますから、情報を収集しやすいのですが......。英語が読める方にはAngeles Arrien著『The Tarot Handbook: Practical Applications of Ancient Visual Symbols』 をおすすめします。こちらはThothと呼ばれるとても美しいカードを元にして、タロットカードの使い方を説明してくれます。日本でも訳されればいいのになあと思う一冊です。この作者が書いた他の本はすでに日本語に訳されています。『運命のサイン』というタイトルの本です。この本はタロットのように多くのシンボルを使わず、5つのシンボルだけを使います。たった5つのシンボルしか使いませんが、得られる結果には鋭い深さがあります。タロットのような、シンボルを使う精神分析ツールに興味のある私には、とても参考になりました。
タロットの占い方から起源まで |
この本は、心理占星術研究家として知られる鏡リュウジ氏によりタロットの解説書です。本の大部分は、大アルカナと呼ばれる22枚のタロットカードについて、一枚一枚その図柄や由来について解説しています。残りの部分は、タロットの歴史について書かれています。タロットはエジプト起源だとしている人も少なくないように思いますが、著者によるとこれは間違いで、実は15世紀イタリアが最初だということです。古代に由来するというロマンティックで神秘的なイメージは、後世の人間がいっただけで、極めて人工的な産物であるというのが実体のようです。ただし、著者はタロットのイメージが持つ、豊かなシンボルは、心理学的な自己発見に非常に有用であるとして、その価値を認めているようです。本の最後には?!??!!代表的なタロット占いの手法も説明されています。やや冗長で全部は読む気がしないかもしれませんが、タロットにまじめな関心を持っている人には、興味をもって読むことの出来る本ではないかと思います。
タロットファン必携の書 |
今までタロットの本というと、その神秘性を語り、エジプトが起源だとかメソポタミアの英知などを語っていた。しかし、この本ではタロットの「歴史」の部分を、冷静に詳細に考察している。その結果、タロットの起源は15世紀のイタリアであると紹介している。そこから現在に至るまでのカードの歴史も語られている。
しかし、ロマンと輝きを失うことなく、カードの絵柄について、どういったものが影響して形作られたのか考察もされている。実際に占いをする上での参考になる点、イマジネーションをひろげていく上で役立つことが多い。
常に、占星術やタロットの世界で新しい風を吹かせ、冷静でいながら夢を失うことのない著者の真骨頂。文章そのものがとても読みやすく、これからタロットを手にする人に!も!お勧めできる。タロットファン必携の書。